釣りの事故

釣りは危険が伴います。

川釣りでは、深みにはまってしまい、体の自由が効かないまま急流や水量でどんどんと下流に流されてしまいがち。そして下流の浅瀬に流れ着いたりあるいは救助されたりして一安心。

奥深い山に立ち入っての渓流釣り。岩場で足が滑って怪我をします。助けを呼ぼうにも圏外で電波届かず通信遮断の場所もありますよね。

磯釣りも、波止での釣りも同じと思います。

さて、

* 29年1月三重県宿田曽堤防釣り。ライフジャケット持っていたが着用されておらず

  転落事故。

* 26年10月尾鷲湾行野浦の磯釣り。一人で渡った釣り人を迎えに行ったところ、磯

  上に道具などがおいてあり付近を捜したが行方不明。ライフジャケットを着用さ

  れていたにも関わらず後日見つかる。

 磯での転落事故

1.磯に着いたら周りの地形を把握する。海に落ちたらどこから這い上がれる箇所か

  を把握しておく。

2.ライフジャケットは必ず身に着ける。この2点が一番重要。

 

* 平成14年1月26日 二木島 水たれの磯で海に転落。(実体験)

  水たれの磯 概略説明

  三重県二木島町 通称全体を称してオベラ磯という。磯の東側半分をオベラ磯、

  西側半分を水タレ磯と呼んでいる。山の岩が20mほど垂直に落ち込んでおり、上

  から水が流れていることから付いた名前。柱状節理の岩で構成され、隣の楯ヶ埼

  よりも規模が広大で景色が良い。海はその陸上の構成と同様に岸から垂直にどん

  深で25Mから30Mの深さ(イシダイリールのタナセンサーで確認)。シモリやハ

  エ根はほとんど無いが、潮通しがよくイシダイ、尾長ぐれ、最近はルアーマンが

  シマアジ、ハマチ、シイラ、カツオ等の青物を狙っているのを目にする。冬は北

  西の風に強く暖かい。

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 (注意)写真のように、磯にあたるサラシが強い場合、フカセ釣りはできません。

 釣りが可能かは、国道311号線の楯ケ埼駐車場から少し梶賀寄りに

 ⒑mほど歩き、道路の上から磯のサラシの状態を見ることができます。

写真のGのサラシの状態です。Gの磯のサラシが大きい場合は、全体に大

荒れの状態ですので釣りは無理です。

 

  当日、水たれの磯で寒グレをと思い、歩いて磯へ向かいました。約1時

間ほどで到着。広大な磯ですのでどこが良いかポイントを決めるため、オ

ベラ磯場の東側から西方向に歩き進み、やや高台を越した先が、唯一沈み

根がある水タレ磯です。 

  水タレ磯の先に進み、その広大な磯の中間あたりの先の足場の良い場

所に決定しました。写真のDとCの中間、やや右のD寄り側、出っ張り磯

が今回の釣座自分の目の前にある斜め勾配の磯きわを渡り切れば到着とな

ります。

  渡り始めたとき、静かだった海。気づかなかったが突然うねりが駆け上がってきました。危ないと思った瞬間左手に持っていた竿ケースを離し

てしまいました。

  磯際の近くに浮いています。取れそうも無いのに左手を伸ばしまし

た。右手は磯の割れ目に手をかけていましたが、次のうねりが来たとき、

地に着いている足が

  波の力で浮きあがってしまい、引き波に体ごと海にもっていかれました。

  ライフジャケットは最初から装着していましたので、肩から上は海に

浮いています。D表示-奥(サラシが二股になっている箇所)

  当時の水温は14°、海の状況は比較的穏やかでした。肌に感じる海水は

やや暖かさが感じられます(お風呂の湯が冷めた感じ)。防寒着の中やス

パイクブーツに水が入ってきます。水が入ったスパイクブーツは重たくて

自由が効きません。海の中でただもがいているだけです。この状況のな

か、人間の本能として体 (目も)は陸側に向くことがわかりました。また

傍に竿ケースがフアフアと浮いていましたので、少しは助けになるだろう

と思い掴みました。

  なすすべもない・・・・・だめだな・・・・・命が・・・・・ああ死ぬんだな

  と一瞬の言葉が脳裏にうかびました。浮かんでいた時間は分かりませ

んけど、おおよそ3~4分だったと思っています。磯際から5Mぐらい離れて

いました。

  救命胴衣を以前購入したときの説明書では、4~5時間浮力のあるもの

でしたが浮力材を1.5~2.0倍に補強してありますので浮力に関しては大丈

夫だと思っている。

  次のうねりが来るまでは、静かな海の状態が3~4分ほど続いていた。

  そう思っていたところ、突然うねりが、グ グゥ グーーとものすご

い圧力で背中を押し上げ、私はあっという間に磯にほうり上げられ、気が

ついたら、最初いた磯の上にすとんと立っていました。奇跡的に近い。

  足元を海水がいきよいよく流れ落ちていきます。また次の波にさらわ

れてはいけないと思い、すぐ⒑歩ほど上に登り、安全な場所に移動し、助

かったんだなと

  安堵。

  全身ずぶぬれ。冬の朝6時ごろですので、寒くて寒くて我慢できませ

ん。着ている ものを全て脱ぎ、素っ裸になった状態で震えながら手で絞り

再度濡れた服を着まし た。着るときの冷たさは我慢できませんが体温が下

がってはいけないと思い、再び着用するしか仕方がありません。

  振り返って海を見てみると、その後からは何事もなかったようにいつ

もの穏やかな状態の海でした。

  海を侮ってはいけないという気持ちを思い知らされた1日でした。

 

  その後、どうしたかと言いますと、何度もくしゃみをしながら 7時頃

から11時まで濡れた服のまま釣りをしていました。いつもは午後2時頃ま

で釣りをしていますが、気持ちが失せてしまって早帰りです。

  助かった命と引き換えに釣果は0でした。

  今日はそれで良かったんだ。当然

  当日30人程が竿を出せる磯には私1人だけでした。

  

  何かが私を、命を守ってくれたんだろう。感謝しきれないほどの気持ち。 

  まだまだあなたを死なせるわけにはいかないんだと海の声がつぶやいているようにも感じられました。

  

  4日後、14年1月30日、尾鷲市九鬼磯 渡船利用 16人の釣り人、最奥部の尾鷲

  渡船区域境界に近い俵磯にて釣り。

  12日後、14年2月11日、二木島磯 歩き 前々回の事故のあった水たれにて釣

  り。

  その釣行の際、そこで立ち止まり,検証しました。少し上のルートを通っていれ

  ば事故は防げたのに。なぜ海側の低い所を通ったのだろう。

  一発波は何度か経験しているものの、その波が原因だとは思ってはいけない。

  たぶん大丈夫だと海を甘く見た結果だろう。反省点だ。       

 

* 2回目の事故 平成9年9月、早田港からカゲ地に行く途中のアカオジ磯付近で、こ

  れもトラバース中に海に落ちましたが足が沈み岩の上にあり、かつ這い上がる箇

  所がありました。全身ずぶ濡れ。 

       場所替わりをすることに決め 近くにある早田磯のロープ磯にて釣り再開。

* 3回目の事故 平成20年1月、磯釣りで渡船を利用。場所替わりで渡船に飛び

  移るとき同時に横波に船が横に揺らされて足が宙に浮き踏み外して海へ 船備え

  付けのハシゴで登る。全身ずぶ濡れ。そのまま港に寄港。船長の奥さんと娘さん

  が心配して着替えを貸していただきました。即帰宅

 

  この事故を踏まえ最後に分かったこと。足が宙に浮いていたら人間の腕力だけで

  はまず這い上がれない。足の下に踏み台の岩があるところ(沈み岩)、這い上がれる  

  スロープがあるかけ上がり箇所を、釣りを始める前にまず先に調べておくこと。

 

  ライフジャケットの浮力を一度確認する。(海水浴やプール・川等で調べておく)

  

 参考になれば少しは役にたつかも。お互い気を付けましょう